近年、オフィスビルや商業施設などでは、省エネ化や
快適な空間づくりが求められています。
最新の業務用エアコンには、省エネ性能、快適性、
耐久性、経済性、そして環境への配慮といった多岐に
わたる
側面で、従来の製品を大きく凌駕する技術が
数多く搭載されており、まさに社会の課題解決に資する性能が備わ
っていると言えるでしょう。
高効率インバーター技術の進化とAIによる最適制御
高効率インバーター技術は、冷暖房能力をこまかく調整することで、従来のオンオフ制御に比べ、大幅な省エネを実現しています。AIとの連携により、室内外の温度・湿度、床温度、人感センサーなどの情報を学習し、最適な運転パターンを自動で設定。無駄な運転を抑制することで、電力消費をコントロールし、快適性も向上させています。
また、AIは過去の運転データから学習し、より効率的な運転パターンを追求していくため、継続的な省エネ性能の向上にも貢献します。
高効率冷媒の採用
最新の業務用エアコンは、地球温暖化係数が低い高効率冷媒を採用することで、環境負荷の低減に貢献しています。従来の冷媒に比べて温室効果ガスの排出量を大幅に削減し、地球温暖化防止に役立っています。また、R32などのオゾン層破壊係数がゼロの冷媒を採用することで、オゾン層保護にも貢献しています。
環境負荷の低減以外の点でも、省エネ性能の向上や電気料金の削減にもつながるなど、経済的なメリットも大きい点が特徴です。
- 200年以上前の地球。二酸化炭素の濃度は約280ppm。
- 2013年には⼆酸化炭素の濃度が400ppmを超える。
- 冷媒の地球温暖化係数。気候変動に関する政府間パネル(IPCC)第4次評価報告書を使用。
熱交換効率の飛躍的な向上
最新の業務用エアコンは、ヒートポンプ技術の進化とマイクロチャネル熱交換器の導入により、大幅な性能向上を実現しています。ヒートポンプは、空気中の熱エネルギーを集めて移動させる技術です。少ないエネルギーで大きな冷暖房効果を得ることができ、省エネに貢献します。
また、マイクロチャネル熱交換器を採用することで、従来の熱交換器に比べて熱交換効率が飛躍的にアップしました。これにより、ヒートポンプの冷暖房能力の向上と消費電力の削減に大きく貢献しています。
- ヒートポンプは、室外の熱を集めて、室内に移動し、室内の空気に熱を渡します(暖房時)。
- マイクロチャネル熱交換器のを採用することで、伝熱管の周りを流れる空気の流れがよくなり、熱交換効率がアップ。
空気清浄・除菌機能の強化
近年の業務用エアコンは、単に室温を調整するだけでなく、空気の清浄化・除菌機能を大幅に強化しています。特に、新型コロナウイルス感染症の流行を背景に、より高度な衛生管理が求められるようになり、各メーカーは独自の技術開発を進めています。
PM2.5やウイルス、花粉などを効率的に捕集したり、抗菌・抗ウイルス加工を施すことで、空気中の汚染物質を効果的に除去する高性能フィルター。紫外線の一種であるUV-Cを照射することで、ウイルスや細菌のDNA/RNAを破壊し、除菌効果を高める技術。さらには、浮遊するウイルスや細菌を分解するプラズマ放電や、空気中にナノ粒子を放出し、ウイルスや細菌の表面に吸着させて不活性化させる技術も開発されています。
これらの技術を組み合わせることで、より高いレベルの空気清浄・除菌効果を実現し、オフィスや病院、学校など、人々が集まる場所の衛生管理に貢献しています。
ダイキン独自の「ストリーマ技術」。プラズマ放電の一種であるストリーマが有害化学物質を分解。その分解力は約100,000℃※の熱エネルギーに匹敵します。
※酸化分解力による比較。実際に高温になるわけではありません。
高機能換気設備との連携による自動換気(機械換気)の実現
従来の窓を開けて換気する方式と異なり、換気設備とエアコンを連携させることで、自動的に換気(機械換気)を行うことができます。窓を開けずに室内の空気を換気でき、機械的に給気と排気をコントロールするため、室内の温度や湿度を一定に保つことができます。
また、フィルターを通して花粉やホコリなどの侵入を防ぎ、クリーンな空気を室内に取り込めるという空気清浄機能も備えています。さらに、CO2濃度を感知して換気量を調整する機能も搭載されており、快適な室内環境を実現します。
IoTとの連携
スマートフォンやパソコンから操作ができるなど、IoT技術との連携により、より高度な運用を実現しています。離れた場所からでもエアコンの状態を監視・制御できるため、メンテナンスの効率化が図れます。
また、故障発生を早期に検知し、迅速な対応をとることも可能となります。さらに、複数のエアコンをネットワークで繋ぎ、一括管理することもできるため、大規模な施設での運用にも適しています。IoTを活用することで、よりスマートで快適な空調環境を実現することができます。
最新の業務用エアコンは、これらの最新技術の採用により、高い省エネ性能、快適性、耐久性、経済性を兼ね備え、同時に環境負荷の低減にも貢献しています。
近年、オフィスビルや商業施設など様々な場所で活躍し、より快適で持続可能な社会の実現にとって、今や、なくてはならない存在になっているのです。